寮の夜は甘い夜。





グルグルとそんなことを考えていると、服に違和感を覚えた。









服を見ると、胸元がちょっとだけはだけていた。









そして、そこには楓の頭が・・・!









「や、ちょっと、楓!?」










楓は返事をしない。










や、やだっ










ちょっと待ってよ!









私まだ心の準備が・・・!










楓はさっきから胸元にキスばっかしてる。









そのたんびにチクッてすんだけど・・・










楓がキスをやめて、上目遣いでこっちを見る。









や、色っぽいんだけど。










すると、急に楓が至近距離にきた。









鼻と鼻が当たってしまう位に近く。










楓のちょっと荒い息が私の頬にかかる。










うっ









不覚にも胸が高鳴ってしまった・・・









「由良、可愛い。目、逸らさないでよ?」









な、なにこの楓!?










恐る恐る楓を見ると、顔はもうそんなに近くにはなかった。









ホッとしたのもつかの間、楓が耳朶(みみたぶ)をしゃぶった。









「ゃ、楓!?」









なんか、変な感じ。










楓の舌の動きとかもわかっちゃって、赤面する。









なんか、ゾクッてするんだけど・・・










楓は耳朶を離すと、










「なんか、やって欲しいことある?」









「あ、あるわけないでしょっ!」










「そう。じゃ、フィナーレだ」










唇に、濃厚なキスを落とした。









「んんっ!.....んふっ、ぁ.....」









口のあいたちょっとした隙間から楓の舌が侵入してきた。









「...んぁ、ふ.......んふぅ.....」










恥ずい。









声がこれでも勝手くらいにぴちゃぴちゃ言う水音と混じって響く。









身体の芯は既にぼおっとしてるのに、私は一向に眠くならない。









恨めしや。










もう、おかしくなりそうなのに。









意識はハッキリしてる。









急に、楓がキスをやめた。









「んー、眠くならないのかー。









嬉しいんだけどね。









もっとやっちゃおっか。」










きっと私は赤面したんだと思う。









顔が火照ったみたいに熱い。










なんか、楓もすっごいカッコ良く見えるし。









今日の私、どうかしてる。









楓は私をギュッと抱きしめた。









おかしいくらいに胸が暴れ出す。









なに、これ。









楓の体温が伝わってきて、心地いいんだけど、やっぱり胸が騒がしくて。









でも、ずっとこうしていたくて。









なんなのよ。




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