寮の夜は甘い夜。





「俺さ、由良のこと、好き。」









「・・・え?」









楓?









ホント、今日、どうかしてる。









だって、楓が好きとか言うなんて・・・









ありえない。









もしかして、揶揄(からか)ったのかな。









うん、そうだ。









揶揄ったに決まってる。









好きとかおかしいもん。









胸の鼓動もおさまらないし、楓にはからかわれるし。









今日は散々な日だ。









あー、もう寝たい。









そう思うと、自然に瞼(まぶた)が重くなってきた。




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