寮の夜は甘い夜。
私が布団でぬくぬくしながら考えてると、急に後ろから抱きしめられた。
「かっ、楓!?」
「なんだよ。」
楓は相変わらず機嫌が悪い。
「あの、離して?」
「なんで?」
「は?え、いや、夜じゃないんだし・・・」
なんか楓が駄々っ子みたい。
「俺は好きなんだよ。
これくらいいいだろ?
夜だけとか、辛いんだけど。」
「つ、辛いって?」
恐る恐る尋ねると、後ろから物凄いため息が聞こえてきた。
「ずっと由良に触れていたい。」
「はっ!?え、なんでそうなるの!?」
「何回言わせる気?」
いや、ちょっと思考が追いつかない。
え、楓が私のことを好きで?
ふ、触れていたい、と?
漫画だったらボフッと音が鳴っていたんじゃないだろうか?
顔が、熱い。