寮の夜は甘い夜。
「失敬な。由良が叫ぶから来たのに。」
楓は、そういいながらも私の体をまじまじと見た。
「うん。いーカラダしてんな。」
「でてけえええええええええ!!」
楓を全力で追い出すと、急いで服を着た。
もう、サイアク。
楓に、下着姿見られるなんて。
これじゃお嫁に行けないよ・・・
脱衣所を出ると、楓がこっちをジッと見ていた。
「な、なによ。」
「あのさあ、由良、鏡見た?」
「鏡で見たから、き、キスマークのこと気づいたんじゃない。」
「あ、そう。」
楓はそういうとニッコリ笑って、
「その服、似合ってるよ。」
と、言った。
やば、な、なにこの胸のざわめき。
おかしいぞ。
心臓がこれでもかっていうくらいに暴れてる。
なんなのよ、ほんとに。
楓の言動で私の寿命が縮むじゃない。
楓なんか、好きじゃないのに。