寮の夜は甘い夜。
ホントに寝ちゃったよ…
ど、どうしよう
心細いよ…
「かっ、楓…起きて」
そう言ってちょっと揺すってみるものの返事はない。
規則正しい呼吸が繰り返されるだけ。
「や、やだあ………」
楓が寝てる
怖くっても一人
「うぇぇ…こんななら祐司といればよかったぁ…」
「んだと?」
「えっ!?」
ね、寝言、かな…?
「なにが祐司だふざけんなよ…俺がいるだろ」
ドキッ
し、静まれよ心臓!
ちょっとカッコいいセリフだなとは思ったけど、楓が言ったことなんだから…!
カッコいいわけないじゃん!
「由良は俺といればいいんだよ…」
楓の顔は見えないけど…照れてる?
「ね、楓。」
「んだよ」
「あのさ、照れてる?」
「………照れてない」
「うそだっ」
「うそじゃねえっ」
「繰り返しお客様にご案内いたします。上映中は私語を慎んで下さいますよう、お願いを申し上げます。」
うっ、ホラまた怒られちゃった…
楓は不機嫌そうに身じろぎすると大人しくなっちゃったし…
私たち、プラネタリウム向いてないのかなあ?