寮の夜は甘い夜。





部屋に着くと楓はベッドに横になっていた。





私が来ても微動だにしない。







……つまらない。




折角の休みなのに。








「楓〜…」






返事をしないって、無視?それとも、寝てる?






ベッドで寝てる楓にそっと近づいて顔を見る。






……反応ナシ。






頬を軽くつねっても……反応ナシ。







これは………





「寝てるなっ!楓寝ちゃってるな!」






くっそー、話し合いてもいないんじゃつまらない。






……楓、寝てるし少しくらい外出てもバレないよね?







早速、部屋出ちゃおう!






って言っても、もし途中で起きたら怒られそうだからな…




ひなちゃんのとこ行ってることにすればいっか!







うんうん、そうしよう。






ひなちゃんにメールで「口合わせよろしく!」って送ったら、すぐに「いーよー」ってメールが来た。






おし、これでおっけー!






あとは机の上に、ひなちゃんのとこに行ってるって紙置いておけば、完成!







楓にバレないで外いける!






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