寮の夜は甘い夜。
「裕司と俺、どっちがいいんだよ」
楓はボソッと呟くとそのままふて寝しはじめてしまった。
結局誤解は解けないままだし……
てか、別に誤解されたままでもよくない?
キス、されなくなるかもだし。
「いいや、当分このままで」
負けじと私もボソッと呟いてみた。
チラッと楓を盗み見るけど、どうやら本当に寝ちゃったらしい。
もう夕方だし、今からじゃどこも行けないからなー。
でも、部屋にいるのも気まずい…
うーん、としばらく考えていると、急に閃いた。
ひなちゃんのとこ行けばいいんだ!