寮の夜は甘い夜。
「…んぅ…………」
頭が冴えてくると、また、キス。
楓は勘がいいのか、ぼんやりしてくるとすぐにキスをやめた。
身体は密着したままで、スゴく、あったかい。
「ねぇ、いつになったら寝させてくれるの?」
「まだ、一時間も経ってないだろ」
「だ、だって明日は学校がッ…」
口を塞ぐように、侵入してくる舌。
心臓が、悲鳴をあげている。
「も……寝よッて…」
「まだダメ」
楓は、舌を這わせるように口から首筋に動かす。
「ヤだっ、跡付ける気でしょ!?」
「うるせぇな、黙ってされてろよ」
こ、こわ…。
途端、チクッと痛みが走った。
やだ、絶対いま付けられた。
位置的に、制服からはみ出る。
髪下ろして全力ガードしないと。
「あんま変なこと考えんなよ」
そう、耳元で囁いて、抱きしめられる。
と、吐息があッ……。
いい加減、寝かせてくれたっていいのに。
「…理不尽だ」
「あ゛?今なんて言った」
「や、ヤだなあ、なにも言っておりませんことよ。おほほほ」
「…黙って俺に抱かれてろ」
イケメンが言うと、セリフが活きる。
このせいで、鼓動がもっと速まったのは言うまでもなく。