寮の夜は甘い夜。



「嫉妬ですか、楓くん?」





裕司がおちゃらけたように言う。




ひなちゃんたちは固まったままで、どうしたらいいのか、オロオロしている。





教室を見渡せば、成り行きを鋭い視線で堂々と見ている女子全員と、興味深げに眺める男子ちらほら。





このあと、呼び出しとか食らってもおかしくないくらい、張り詰めて凍った空気。







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