寮の夜は甘い夜。
次の日の放課後、ひなちゃんに事の重大さを相談した。
「由良、ここにいるってことは、パートナー決まったんだよね!おめでとー」
「あー、うん。そうなんだけど、ちょっと…」
「で?どんな人?」
ひなちゃんは興味心身と書いてある顔をググッと近づけた。
「んー、それがよくわかんないんだよねえ」
そういえば、名前もクラスも何も知らない。
とりあえず、わかる事、つまり昨日あった出来事を話した。
全部話し終えると、ひなちゃんはポカーンとして、「御愁傷様」と言った。
「でもさあ、退学よりマシじゃんか」
「そうなんだけど…」
「でもその人、気になるなあ。結構イケメンだったんでしょ?」
「…認めたくはないけど」
「あー、いた。由良!」
「うげっ、昨日のやつ」
声がして扉の方を見ると、昨日のやつがいた。
「…ひなちゃん、あの人、私のパートナー」
「うっそ…」
ひなちゃんがまたポカーンとしてる。
やっぱり認めたくないけど、イケメンだもんな。
「楓君じゃん…」
「……んん?ちょいとひなちゃん。それは人違いだと」
楓って…、あの、女子が言ってたあれでしょ?
あれって、初日に決まっちゃってたあ〜残念〜、とかいう内容だったはず。