寮の夜は甘い夜。
ーーーーーガチャっ
扉の、開く音…?
「…玄関の鍵、閉め忘れた……」
どうしよ、楓のファンの子だったら、永遠の闇に葬られる、なんてこと………
「ちょ、楓離して!」
「ヤだね」
楓を押すけど、ビクともしないどころか、力が強くなった。
どうしようどうしよう。
これじゃあ本当に永遠の闇に……
「…なにしてんの」
私が想像していたのとは裏腹に、入ってきたのは、両想いの滝沢くんだった。
「なんだ、両想いの滝沢くんかあ。脅かさないでよ」