寮の夜は甘い夜。



「キスマークを隠そうとすらしない。恥じらいも吹っ飛んでるの?」




「今知ったの!」




やっぱり、そうだ。




きっと私が寝てる時、付けたんだ。




恥ずかしくて顔から火が出そうなのに、どこか嬉しいという感情もあって、ぐちゃぐちゃ。




何をどうしたら嬉しくなるの。




「にやけてるー。のろけは見たくなかったな」




「にやけてないのろけてない!」




平常心平常心。




心を惑わされてはダメよ、由良。

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