初恋
忘れはしないだろう。
瀧澤、千夏、笹野は
結衣の青春そのものであり
結衣の人生そのものだった。
だから、こんな幸せな毎日を
どうか皆が忘れないようにと
日記をつけ始めました。
この日記を手にとっているということは
もう結衣はこの世にはいないんだよね。
何度もいなくなってごめんなさい。
三人はその度に結衣を見つけ出してくれた。
手を引っ張ってくれた。
もう、見つけ出してはくれない。
手を引っ張ってくれない。
会いたくても会えない。
最初に見つけ出してくれたのは、
14歳の春。
中学三年になったばかりの頃だった。
あの日からだったね。
結衣たちの青春が始まったのは。