天然強気×デレるドS=?
あたしが泣き止む頃には
夕日も沈もうとしていた。
自転車に乗らずあたしの家まで歩いてくれてる斎藤くん。
そういう優しさも変わってないのに...
「さっきは、キスなんかしてごめんな。」
口調が...変わってる?
「いや...
こっちこそいきなり泣いてごめん...」
「ん。
辛くなったらお互い様。」
こっちを向かずに、ひたすら歩く斎藤くん。
「斎藤くん....」
「ん?」
「こっち...向いてよ。」
あたしが立ち止まり、斎藤くんの服の袖を掴む。
斎藤くんも止まった。
しかしこっちを振り向いてくれない。
「...ねぇ...
あたしのこと、嫌いになっちゃったの?
イメージが違う?
そんな弱いイメージがなかった??
やっぱりあたしはイメージが違うからってフられてくのかな。
そうでしょ?
嫌いになっ......んっ」
再び塞がれた唇。
「.....嫌いになんてなるわけねぇじゃん。
また泣きそうな顔すんな。
すっげぇ心配になる。」
「...っ」
「どうやったら泣かなくなるわけ?」
困ったような顔をあたしに向けてる。