□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」
うちの近くのコンビニで週三回、深夜働いている。
(いつ仕事が入るかわからないから、昼間は身体を空けておきたいんだ、
とケイタは言う)
時給1060円。夜10時から朝5時まで。
1060×7時間×週3=交通費含め月収9万円弱。
時間に拘束されたくないなら、もっと
効率良く稼げる仕事すればいいのにと思うが…
『何年か前にホストクラブでアルバイトしたことがあるんだ。
でも、生き馬の眼を抜くような水商売は俺に合わなかったね』
付き合い始めた時、ケイタは遠い目を
してベッドの中で言った。
(……おいおい。
キミだって役者の端くれだろう。
ショービジネスで生きて行くなら、
更にもっと厳しいんでないかい?)
そう思ったけれど
「ケイタは優しいからね」と頭を撫でてやった。
さすがに彼氏がホストクラブ勤めなのは嫌だ。
合わなくて良かった。
私達の出逢いは、二年前。
コンビニでバイトするケイタに
私が一目惚れしたのだ。
私も内気なので、顔見知りになって軽口を叩いたりすることは出来ない。
なので、直球勝負。
レジの時、携帯のメモを千円札と一緒にケイタに手渡した。