□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」
振り向いたコノヤマは私の涙に驚き
「責めるつもりはないんだ」と私の肩に手を置いた。
その手が優しくて、私はつい、コノヤマのヨレたワイシャツの胸に縋り付いてしまった。
気が付くと、私達は唇を重ねていた。
コノヤマの口からは、
焼き魚の臭いがした。
キスをしながら、私は自分が猫だったら良かったのに…と思った。
コノヤマのぶっとい手が、私の制服のスカートに潜りこんできた時、
私はハッと我に返った。
…何してんの、私…!?
だけど、相手は部長だ。
無下にすることも出来ない。
「こんなところじゃイヤ…」
「ハアハア。皆川さん。大丈夫だよ。
会議中の札出せば。すぐ終わらせるから。そこの机に手をついて」
そう言いながら、今度は私の胸を服の上からまさぐってきた。
机に手って……
一体、何やらせる気なんだ。
ううっ…胸、触るな!
「…優しくないとイヤ。
私、そんな女じゃない~」
切羽詰まった私はミュージカルのように、両手を伸ばし、すっとコノヤマから離れた。
そうだ…!
ミュージカルのようにすれば
カドが立たないかもしれない。
「ありす…」
コノヤマはお預けを食らった犬のような目をして、いきなり私を呼び捨てにした。