□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」
…あのね…….
「一応、私、恋人いるんで…
…そんなヤバイのマズイです…」
「なら、マスカレードの仮面付けてもいいよ」
「…」
「このままじゃ、時給1500円も払えないんだなあ〜」
ヨネダはスーツのズボンに両手を突っ込み、困り顔で窓の方を見た。
「もうちょっと、努力します…」
バシッ!!
エレベーターホールでションボリする私の肩を、誰が思い切り叩いた。
びっくりして、私はよろめいた。
通り魔に暴行されたと思った。
違った。
力士が鋭い目をして立っていた。
彼女はカナリヤの声で言った。
「今、帰り?さっきのヨネダとの会話、聞いたよ。
時間あるなら、ちょっと喫煙ルーム寄ってかない?
私が、いい方法を伝授してやるから」
「いい方法を伝授…?」
私は力士のトレーナーの上からでもハッキリと分かる揺れる三段腹をぼんやり見ながら、復唱していた。
サクラのお仕事を始めて5日目。
ヨネダの私に対する接し方が変わった。
私が出勤すると、自分のデスクから立ち上がり「ありすさん、おはようございます!よろしくお願いします!」と叫ぶようになった。
そんなヨネダに私は問う。