□□□□□□□セクシー・コメディ□□□□□□□「コンクリート・ジャングル」
ちなみに会話は全て、ヨネダ達により監視されている。
電話がかかってきても、取らないでいると、他の小部屋で待機している女性が取る。
弱肉強食の早いもの勝ちなのだ。
そう、ここは。
テレクラのサクラが集まる場所なのだ。
当たり前だけど、こんなところで、己の個人情報を明かす大馬鹿者はいない。
私の役どころは
『昼下がりの時間を持て余す25歳の若妻。子ナシ。
旦那は20歳上で糖尿気味の為、
3年間、御無沙汰』
自分で設定した。
最初は真面目に男性を癒してあげる気持ちでいた。
悩みがあるなら、何でも話して、と。
でも、そういうのは、トンチンカンな考えだと出社日 一日目にして分かった。
「逢おうよ」
電話を掛けてきた男達はすぐに言う。
こんなところに電話して、茶飲み話や人生相談などしたがる男なんかいるわけないのだ。
私は
「えー、今からあ?行きたいけど、
この後、パピーの散歩しに行かなくちゃならないの〜
あ、パピーって私の愛犬!
ポメラニアンと柴犬のミックスなの!
犬、好き?」
などとなるべく会話を引き延ばす。
結構、これが大変。