あの花が咲く前に③
「空斗もそのスーツ
よく似合ってるね!」
不意に吹雪が俺の顔を覗き込んで
言ってきた。
「あぁ。そうか?
つつじが貸してくれたしな。」
「似合って当たり前です。
なんせ つつじ姫は
せめて最後に 思いのこもった品を
・・・と 深く悩んで
買っておりましたから。」
「買った?
俺には 貸す って言ってたから。
・・・まさか 新品
買ってくれてたんですか!?」
「おっと。秘密と言われていたのでした。
申し訳ない。
このことは 姫には内緒に・・・。」
「・・・。」
でも・・・なぜ「最後に」なんだ?
また学校出会えるのに。
・・・俺をパーティーに呼ぶのは
これが 最初で最後ってことか?