淡色ドロップス





湿った頬を袖で拭き取る。

泣いたからかな
ちょっとスッキリした。


「オーソドックスに告白する」

「おおー! 直球勝負かいいね!」


盛り上がるカナちゃんと何も言わずにジーとこちらを見る田宮。


「気持ちだけ、伝えようかな」

「へ」

「や、ホントは略奪したいよ? したいけど、そしたらセンセーにも嫌われると思うし。なにより人を傷つけるリスクを犯してまで付き合いたいほど、好きではない」


結局は、そこなんだ。

そうしてまで手に入れたいの?って問いかけたら、やっぱりそこまでするほどの想いではないと思うの。


好きだけどね。

傷つけたり、苦しめたくはない。




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