淡色ドロップス





11:25分。

お昼間近の時間だけど、センセーと彼女さんの約束は何時頃なんだろう。


12時だとしたら30分も早いじゃん。

時計台から慎重に顔を覗かせる三人。


またしても奇行な私たちに周囲の目が集い出す。それもそのはずだ……。


「カナちゃん、田宮。
その変装どーにかならないの」

「用意周到でしょ」


まるで牛乳瓶の蓋のようなメガネをかけている田宮とサングラスにマスク姿のカナちゃん。


田宮に至ってはそれ見えてるの?


「しまった。視界が濁って何も見えね」

「くくくっ、バカだ」


カナちゃんと笑いを堪えながらも目はセンセーから外さない。



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