淡色ドロップス
どうやら11時半待ち合わせだったようで無事に落ち会えたセンセーと彼女は肩を並べながら歩いていく。
その後ろを三人で追跡。
田宮はもう一つ持ってきていたハートの型のサングラスを装着。
被っているキャップとのバランスを考えると、最初からそれにすれば良かったのではないかと思う。
「カナちゃんそれは近づきすぎ」
「逆に田宮は遠すぎ」
「難しーな尾行って」
遠すぎず、近すぎず。絶妙な距離が定まらずギクシャクした尾行を繰り広げるわたしたち。
周りからしてみればやっぱり私たちは奇行以外の何者でもないだろう。
「あ、本屋に入ってく」
「どうする、私たちも入る?」
「入ろーぜ。外にいたら返って目立つ」
確かに。