淡色ドロップス
「あ、俺見たいとこあっから
一旦別行動していい?」
「うん。くれぐれも
センセーにバレないようにね!」
「ラジャー」
一旦田宮とも別れ、カナちゃんと一緒に彼女との距離を縮めていく。
ジリジリ
ジリジリ
あ、振り向く…!
彼女が私たちに顔を向けた瞬間
「……っあ」
無意識に口から声が漏れた。
驚いた様子で私を伺うカナちゃん。
キョトン顔の彼女。
こ、この人…ドーナツ屋さんで席を譲ってくれた人だ……。