淡色ドロップス
「気にしないでいいからね。私も田宮も注目されるの大好きなんだから」
「そーそー。でもさすがに歩き疲れて腹減ったから俺らも跡を追うついでにここで食ってかね?」
やさしい二人の意見に肯定し、私たちも続いて中にへと足を運んだ。
『三名様ですね。ではこちらへどうぞ』
え。
案内されたテーブルの壁を挟んだ先はなんとセンセーと彼女さんだったことに気が付き、一斉に座高を低くする。
「ど、どうしよこれバレるって」
「いやでも今立ち上がって
退席するとか無理でしょっ」
「俺ヒレカツ定食にしよっかな」
若干一名危機感を感じていない人もいるがとにもかくにもこれはヤバイ。
センセーと彼女さんの声がもろに聞こえて来るんだ、私たちの声だってもろに伝わっていくはず。
「や、別に見つかっても偶然鉢合わせたことにすればいいじゃん」
「あそっか」
単純な私は田宮の適当な言い分を最もだと思い、一気に座高の位置を戻した。
そうだよ別に恐れることはない!
むしろこんな公共の場でイチャつきでもしだしたら学年中に広めてやるからな!って気持ちでいかなきゃね!