淡色ドロップス
瀬野くんだと思ってたから、ちょっとくらい甘えてもいいかなと思って膝枕をしてもらったのは紛れも無い事実で。
何がどうであれ、私のせいで瀬野くんに要らぬ心配を与えてしまった。それが申し訳ない。
「…も、もうお酒飲まないっ」
「規定の量を守って飲むならいいよ」
「…う、じゃサークルやめる!」
「川口って奴に必要以上に近づかないでいてくれるなら、無理にやめることない」
「そ…それで瀬野くんの機嫌は治るの?」
恐る恐る見上げると、口角が意地悪気に上がるのを私は見逃さなかった。
「あとは朔次第だよ」
プチッと身体を締め付けていたものが解放される音がした。
だから私お酒臭いのに…!
乱れた服の上からバッテンで防御すると『またそれか』と言いたげな表情を浮かべる瀬野くん。