淡色ドロップス
『や、マジだって! 俺告白されたんだって佐伯由仁に!』
「―――っ」
アイツの名前にカラダが過敏に反応した。声の方向を辿れば、自販機の前で群れる男子グループが目についた。
俺の視線など気にもせず話を続ける声が、嫌でも耳に入る。
「嘘だろマジ? だって賭けてからまだ一週間も経ってねーじゃん」
『しつけーな! てか、俺も予想以上に早すぎてビビった。どんだけ軽いんだよ引くわ』
「え、じゃあ振ったの?」
『当たり前だろっ』
「んだよ付き合っとけば良かったじゃん。軽いもの同士案外似合うんじゃね?」
『おいマジでやめろって!
あんな女と一緒にすんなよ』
…ほら見ろ。
佐伯の男好きは度が過ぎてんだよ。
はっ、ざまあねぇな。
これくらいは自業自得だ、ばか。