淡色ドロップス
何やってんだろうか、俺は。
何がしたいんだろうか。
うまく、説明が出来ない。
そもそも、誰に説明するんだ。
「(うんざりだ…)」
佐伯じゃない、俺にうんざりだ。
歩くのが億劫になり、俺は段差の上にしゃがみ込んだまま頭を抱えた。
これじゃまるで
さっきの柳田じゃねえかよ。
どこかで、期待してたんだ。
ずっとそばにいて振られるたび慰めていれば、いずれ佐伯の目は俺に止まる、と。
そんな感情に女々しさを感じながらも、一方ではそうなることを切に望んでいた。
待っていた。
待ってるだけで、何もしなかった。
募る想いは、何度も溢れたはずなのに。
幼馴染という関係が嫌ならば
早々にこんな殻など破ればいいのに。
なんだかんだで、破ったことによって修復出来なくなることが怖かった。