淡色ドロップス
大橋はスクールバックを肩にかけると、手をひらひら振りながらあっさり帰っていった。
一人、教室に取り残された俺。
内田の委員はまだ終わらないのか。
分かんねえ…。
そう心で呟いて俺は机に突っ伏す。
内田には内田の気持ちがあるなら俺には俺の気持ちがある。
そんなあからさまに避けられたら
いくら彼氏でも傷つく訳であって
でもなんかソレ知られるのもカッコ悪いみたいで嫌だった。
なんだかんだ今の今まで何でもないフリをしていた。
だけど内心は冷や汗ダラダラで。
俺何かしたか?とかまさか他に好きな人がとか、やっぱ俺の子供っぽい一面に引いてきたのか、とか。
悪い方に悪い方にへと思考が偏っていくんだ。
好きなのに。
好きだから、何でも話して欲しいし
何でも受け止めてやりたいのに。
付き合っても消えないすれ違いが
俺に自信と余裕を無くさせた。