淡色ドロップス






「いーよ、もう授業戻れば」

「一緒に帰る」

「カバン、上だろ」

「じゃあ、途中まで送る」


俺の一段上をゆっくり下りていく佐伯。

後ろを歩かれると妙に落ち着かねぇ。


くるり、と右を向くと

佐伯は音を立てずに笑った。










「中野、ありがと」








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