淡色ドロップス
…やっぱり知ってやがったなコイツ。
なんでお前はいつも、自分を傷つけるものに敏感なんだよ。
そういうのも鈍感でいーんだよ。
「あたし、中野が幼馴染で良かったっ」
そのくせ、なんでこんなに俺を傷つける言葉を知ってんだよ。
「…お前ほんっと腹立つ」
「エッ」
俺の暴言に、予想していなかったような反応を示す佐伯。
階段の踊り場で佐伯を見上げる。
悔しさのあまり
無意識に歯を噛みしめた。
一方で佐伯は納得のいかない、という顔で露骨に怒りを表す。
「なんでよ!中野はあたしと幼馴染であることが嫌なのかもしれないけど、でもあたしは違うよって言っただけじゃん!」
「うっせーっ、お前の口から幼馴染って単語が出るだけで腹立つんだよ!」
「っ、そ、そこまで言う?!」
お前ほんっと…ほんとさあ…