淡色ドロップス
制服も草と土臭い。
うああ…
これはお母さんに叱られる。
「なつ運転下手にも程があるよ」
制服の袖を払いながら言った。
夏は頭をガシガシかきながら顔をしかめている。あ、ほっぺた擦り切れてる。
「い、ってぇ〜。
一瞬死ぬかと思った」
んな大袈裟な。
「夏ほっぺ切れてる」
生憎ポケットにハンカチなど入ってない。 無意識的に頬に手を伸ばしたがあと少しのところで夏が手をやんわり払った。
「いいこんなの唾つけときゃ治る」
「左様ですか」
「おう」
髪の毛ボサボサ。
きっとあたしもだ。