淡色ドロップス






「はは…っ、

なにやってんだろ」


こんな夕焼けが綺麗な時間に高校生2人が土手から転落して、制服ボロボロに汚して、髪もボサボサで。


痛いのに、ちょっと可笑しい。



「お前髪の毛悲惨なことになってる」

「夏も爆発してる。
ていうか、夏のせいじゃん」

「ちげーよ。
お前がキモいこと言うから」


「え。キモかった?」



髪の毛を整えている手が止まった。

夏の顔から笑みが消える。



どんどん赤くなっていく頬や耳を見ていると、何故か分からないけど夕焼けのせいにしてしまいたくなった。



「…ウソ。

別にキモくない」



いつもからは想像出来ない位弱々しい声で言うものだから、夏の声じゃないみたい。



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