淡色ドロップス
「ぁ、ありがとう。
すごい助かった」
ハニカミ笑いでお礼を言う。
「いいよ。見てて楽しかったし」
「え、」
楽しかった?
その言葉に耳を疑って視線を合わせると、阿久津くんが口許を意地悪げに緩めた。
「今度こういうことになったら早目に先生に言いな、モジ子」
「モジ…!?」
あたしの反応を見て、くくっ、と喉を震わせて笑う阿久津くん。そしてタンタン、と階段を下りて行った。
展開の早さに私はポカーン。