淡色ドロップス
パッと手を離し、
咄嗟に髪の乱れを治す。
バクバクバク、
「と、っ、突然ごめんなさいっ。
あの、この前助けていただいた…その…女子高生です……」
語尾にいくにつれ
小声になっていく声量。
自分で自分のこと女子高生とかいっちゃったよはっず…。隣にいた友達らしき人が「ぶはっ」と吹いたのを見て、ますます恥ずかしさに顔を赤らめる。
「あ、あのときの」
「、」
覚えてくれてた…!
「はいっ、そのときのです!
あの、その節は本当に
ありがとうございました!」
そういって頭を下げる。
パタパタと音を鳴らしながらカナちゃんが後ろからやってきた。
「ん? コウお前なにしてあげたの」
「別に対したことしてない」
…あ、名前コウっていうんだ。
そんな些細な情報でも嬉しい。