淡色ドロップス
一昨日会ったときのラフな格好とは真逆のスーツ姿に私含めクラスの女子は釘付け。
嬉しいけど、ヤダな。
私だけが知ってたのに、あっという間にみんなのものになっちゃう。
「、」
ふと、瀬野センセーと目が合う。
センセーはまたしても吃驚していた。
出会ってから吃驚させてばっかり、私。
「瀬野先生には最終日に化学の授業を行ってもらうつもりだから、お前らしっかり予習しとけよー」
担任は最後にそれだけ言うとSHRを終わらせた。一気に自由になった教室は、まだ瀬野センセーへの視線でいっぱいだった。
「美緒みお!
どうすんの? 声かける?」
「ぇ、えー。さすがに今は無理だよ。
みんな瀬野センセー見てるし…」
カノジョでもないのに
見ないで、って思っちゃう。
私こんなに心狭かったっけ。