淡色ドロップス





数メートル先には瀬野センセーの背中。

お母さんごめんなさい。

美緒はこうやって道を誤ってゆきます。



「どうする? 彼女が出てきたら」

「多分失神するかも」

「見たいな美緒が失神する姿」
「カナちゃんは私をどうしたいの」


全くもう、なんて小言を挟みながら一人で歩くセンセーの後ろ姿をひたすら付いていく。


今のところ分かるのは駅に向かっている瀬野センセーのことだけ。




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