淡色ドロップス
パタパタと急ぎ足で階段を下りる。
「瀬野せん、せ、ぐえっ!」
「え」
ーズザァー
ガクッと足から崩れ落ち2段ほど段差を飛ばした。そしてそのまま着地。カラダから。
か、カッコ悪…。
事の状況に呆然としていると
徐にセンセーが近づいてくる。
「大丈夫?」
「は、はい」
ああ、消えて散りになりたいくらい恥ずかしい。隠しきれない無様な姿と、その惨めさから熱くなる顔。
でもセンセーは笑いもしなければ引きもしないで、私の腕をスッと掴み起き上がらせた。
「っ」
「足、擦りむいてる」
「え?」
言われて見てみると、ホントだ。
どうりでヒリヒリするわけだ。
でもその時ホームに電車が
到着するアナウンスが流れる。