淡色ドロップス





足を引きずらせながら青いベンチへと移動する。瀬野センセーは『ちょっと待ってて』とだけ言うと階段を上っていった。


「はあーっ」


センセーの姿が完全に見えなくなったところで盛大に息を吐き出す。


ドキドキ

未だに鳴り止まない鼓動。


せ、センセーが私の腕掴んだ。

後ろに引っ張ったときの力強さに、男の人なんだと改めて実感する。


ピタッと密着したスーツから香るセンセーの匂いが、忘れられない。


やばい、どうしよう。

本気で好きになっちゃうよ。


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