淡色ドロップス





「美緒? 泣いてるの?」

「泣いてはいない」

「なんだ」


この人今なんだって言ったよ。

どんな心境になったら
友人の涙を見たくなるのだ。

解せぬ。


「美緒、流石に人が注目しだしたからそこのドーナツ屋に入ろ」

「…」

「わたし奢るよ」
「行く」


「人の奢りだと知った途端
俊敏に動くとこ、美緒らしいよね」



そんなこんなで全国的なチェーン店を営むドーナツ屋へ立ち寄ることにした。



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