嫌いなんて言えない。

*優衣菜目線*

「ごめん、ごめんね。・・・藍葉」

私はその場に泣き崩れた。

私だって、もっと藍葉と一緒にいたかった。
笑いたかった。

でも、できないの・・・。

私がひどい病気を負っているって言ったら?
きっと、心配させちゃうよね。

もうすぐ入院しなきゃいけないって言ったら?
きっと、迷惑かけちゃうよね。

だから、今のうちに少しでも距離をおいておきたかった。
それは自分を守るため。
少しでも別れが辛くならないように・・・。自分を守ったの。
私・・・最悪だよね。なんでも自分優先で。

< 12 / 49 >

この作品をシェア

pagetop