あの日、言いたかったこと。

玄関の方へと行くと、悠斗が苦笑いをしながらこっちを見た。

もしかして……


「……聞こえてた?」

「全部丸聞こえ」


マジでか……。

恥ずかしい……何か、すっげぇ恥ずかしい。


「おばさんのああいうとこ、昔と変わんないな」

「変わってほしいけどな……」


息子としては……恥ずかしいです。


「強烈なのがおばさんのいいとこだろ。
ほら、早く行こうぜ」

「あ、つーかお前、何で家まで来たんだよ」


待ち合わせ場所、ちゃんと決めたのに。


「日向のことだから寝坊すると思って」

「しねぇよ!」


そりゃ……まぁ、小学生とか中学の頃はよくしてたけどさ。

最近は頑張ってるし!

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