あの日、言いたかったこと。
おじさんは俺達の顔を見て目を細めて笑った。
「驚いたな。
二人とも、随分大きくなったね」
……俺達は何も言えなかった。
この人……光輝のお父さんに。
「二人とも、光輝の墓参りに来てくれたのかい?」
声が出せずに小さく頷くと、おじさんは優しい笑みを見せた。
「ありがとう。
きっと光輝も喜ぶよ」
何で……この人は俺達を前にしてこんな風に優しく笑うことができるんだ……。
どうして……。
「……悠斗君?どうした?
手が震えてるけど……」
おじさんは悠斗の方を見ながら心配そうにそう聞いた。
悠斗は慌てて震える手を片方の手で押さえた。
「あ……いや……何でもない……です……」
心なしか声も震えている気がした。
悠斗はおじさんと目を合わせずに下を向いたまま必死で震える手を止めようとしていた……。