あの日、言いたかったこと。

光輝は俺達の気持ちを分かっていた。

だから、伝えようとした。


“やっぱり二人はすごい”……って。


それは遠回しに、あの日のことは気にしてないって言ってるようなもので……

俺達にそれを伝えて、仲直りしようとしていた。


だけど……それを伝えられぬまま光輝はいなくなってしまった。


いろいろ遠回りして……七年経ってやっと俺達に伝えられたその言葉は……光輝から俺達への、最後のメッセージ。


あの日……言いたかったことがたくさんある。


それは俺達も光輝も……お互いに。


でも、それを伝えるのはまた今度にしよう。


何十年後……ここからずっと遠い場所で再会した時……

その時に……全部伝えるから。


だから、それまでに俺は大人になるよ。

光輝にもう一度“すごい”って言ってもらえるように。

胸を張って楽しかったって言えるような人生が送れるように……。



光輝……

あの時、助けてくれて

俺達に明るい未来を与えてくれて……


……本当に、ありがとう。

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