あの日、言いたかったこと。
え……ここ、校内だよな?
何で杏がいるわけ?
え?
「何で……?」
「編入の手続き!」
「編入って……え!?
お前、まさか……」
「うん、ここに通うの!
夏休み明けからね」
マジかよ……。
「ビックリしたよー。
ヒナ君に似てるなぁって思ってたら本当にヒナ君だったんたもん!」
「ビックリしたのはこっちだよ……」
「あれ?
てことは……ユウ君もここにいるの!?」
「そうだけど……」
俺がそう言うと途端に杏は目を輝かせた。
「会いにいこう!」
「は?」
「あたし、帰ってきてからまだユウ君に会ってないもん!
ね、行こ!」
「グラウンドならあっちだから。
いってらっしゃい」
それだけ言って俺は校門の方へと歩き出そうとした。
けど、グイッと勢いよく腕を引っ張られた。