あの日、言いたかったこと。

「何だよ……」

「ヒナ君も行こうよ」

「別にいい」

「何年かぶりの集合だよ。
……一人足りないけど」


……一人。

それが誰を差すのかはすぐに分かった。

でも、俺達四人が集まることはもう永遠にない。


だって……アイツはもうこの世に存在していないのだから……。


「……ヒナ君」

「……悠斗とは距離置いてる」

「え……?」

「……思い出すから。
嫌なこと、全部。
……二人でいたら、またよくないことが起こる気がする」

「ヒナ君……」


どうしていいか分からず、俺は杏から目をそらした。

……その時。

杏の向こう側に……人影が見えた。


「悠斗……」

「え?」


杏が振り返ると、悠斗は驚いたように目を大きく見開いた。
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