あの日、言いたかったこと。
俺達の過去
小学四年生、夏――
俺と悠斗と光輝は地元の少年サッカーチームに所属していた。
幼稚園の頃から俺達三人はいつも一緒。
杏も時々俺達の中に入って一緒にはしゃいでたっけ。
特に何も変わりのなかった、夏休みのある日のことだった。
練習試合を三日後に控えた俺達。
そんな時、光輝が嬉しそうに俺と悠斗に報告をしてきた。
「今度の試合、母さんが観に来てくれるって!」
光輝の母親は病気で入院していた。
俺も小さい頃から世話になってて、何度かお見舞いに行ったことがあった。
そんなおばさんが観に来る。
おばさん、具合良くなったんだ……。
ホッとしたし、俺もすごく嬉しかった。
「だから俺、絶対次の試合でシュート決める!」
「頑張れ、光輝」
「おばさんに良いところ見せてやれよ」
そんな感じの応援する言葉を言ったと思う。
その時は本当に応援していた。