あの日、言いたかったこと。


自分の部屋に行き、ベッドに寝転がる。


特にすることもなく、ボーッと天井を眺める。


『逢沢ー、夏休み海に行こうぜ!』

『あー……パス』

『何で!?
日向?ひゅーうーがー!!』


夏休み前、友達とそう話をしたのを何となく思い出した。


高校二年の夏休み。

他の男子高校生だったら部活に明け暮れたり、友達と遊んだり、彼女と過ごしたり。

中には一生懸命勉強してる奴もいるだろう。


別に俺に友達がいないわけじゃない。

ただ、遊びたくないだけ。

外に出たくないだけ。


引きこもりってわけでもない。


でも……


……夏が、嫌いだ。
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