あの日、言いたかったこと。
杏のキモチ
「……………」
「……………」
おばさんの命日が近づいた、ある日のこと。
俺はいつものように近所のコンビニに出かけていた……が。
「……何でお前らがここにいるんだよ」
俺がコンビニにやってくると……レジのところには杏。
そして……悠斗もいた。
「何でってバイトだよ」
「俺は部活帰りに寄っただけ」
まさかのコンビニで集合。
「ヒナ君、よくコンビニに来るよね」
「コイツ、コンビニしか行くところねぇから」
「あるから。
他にも行くところぐらいいくらでもあるから!」
そんなくだらない見栄を張りながら二人の顔を見る。
七年前とは違い、ずいぶんと大人っぽくなった二人の顔。
きっと俺もそう。
俺達は……どんどん成長していく。
アイツを残して……。