あの日、言いたかったこと。
全ての始まりの場所


……あの事故以来、遠ざけていた場所。

最後に行ったのはいつだっけ……。

あぁ……やめるって伝えたときか。


ゆっくり……ゆっくり、近づいていく。


この悪夢の……全ての始まりの場所へ。


「…………………」


……子供達が元気に走り回っている。

あの頃の……俺達のように。


楽しそうにボールを追っている。


もしもあの事故がなければ……俺は今もああやってボールを追いかけていたのだろうか。


悠斗と……アイツと、三人で……。


「……日向」


横から俺を呼ぶ声が聞こえた。

ビックリして振り返ると……


「……悠斗」


俺と同じようにあの少年サッカーチームを観にきたらしい、悠斗がいた。

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