あの日、言いたかったこと。

「ヒナ君……」


杏は心配そうな顔をしながら俺のところに来る。


「ユウ君、話しかけても返事してくれなくなっちゃった……」

「……何があったんだろうな」

「返事はしないけどね、サッカーの話をすると、すごく嫌そうな顔をするの。
それでね……その顔がすごく苦しそうなの……」


サッカー……。


「サッカー……やっぱり辛いのかな。
でも、だったら何でまた始めたんだろう……」


好きだから……とか、そんな単純な理由じゃないだろう。

俺だって好きだけど……

何かがあるんだ……。

アイツがサッカーをもう一度始めたくなった……何かが。

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